第三十話 最も大切な事
| ヨットの性能がどうこうとか、技術とか、デザインとか、造りとか、いろいろあります。購入を考えた時それらを考慮しますが、ヨットを楽しむのに最も大切な事は、自分がセーリングしたいと思った時に即実行に移せるという事だと思います。どんなに良いヨットを所有しても、乗りたいと思った時に乗れないのはストレスが溜まります。 気軽に出せるというのは、マリーナの環境もありますが、多くはヨットのサイズに対してシングルで乗るか二人以上か、二人なら大抵のヨットでも乗れますが、シングルだとそうはいか無いので、ここが分かれ目ではないかと思います。これは技量も関係ありますが、たとえもうひとりが居るにしても、単なるゲストであればシングルと同じですから、そういうシングルを想定するか、しないかによってサイズが決まってくる。その時のサイズは自分次第という事になります。このサイズによってシングルの場合はおおいに影響を受ける事になります。サイズとは言っても、長さばかりが問題では無く、そのヨットが持つボリュームも影響してきます。これをクリアーするのは、まずは技量の問題よりも気持ちの問題だと思います。技量があれば乗れるサイズであっても、その前に気持ちが勝たなければ、乗れなくなるので技量もついてこない。 昔は小さいサイズから入って、慣れてきたらサイズアップというのが一般的なやり方でしたが、最近はそうでもありません。将来、買い換えるという考え方をせず、ずっと乗れる物という考え方ですと、やはりちょっと大きめという方が多い。でも、いきなり大きいので慣れるまでには至らないというケースもあります。ですから、将来はともかく、今乗れるヨットという事がなければなりません。それで慣れてきて、もっと大きなヨットがほしいと思うようになるかもしれませんが、その時には買い替えを考える。初めてヨット買って、一生乗るというケースの方が稀です。初めてのヨットは、将来買い替えもありうると思った方が良いでしょう。もし、それが気に入って、自分にピッタリだったら、それはラッキーです。一艇目で良く乗り込んだなら、２艇目の選択はかなり自分のスタイルが解りますから、より具体的に選択する事ができます。 最初の段階をクリアーしたら、うまいかへたかは楽しむのにはたいした問題では無い。楽しいのはステップアップのプロセスですから、どの段階からでも遊ぶ事ができる。シングルかダブル以上かによってサイズと艤装を考え、それに合うヨットを選択する。そうすればもうこっちのもの。そして、できればセーリング中心のデイセーリングを堪能する事をお奨めします。これが永く、ヨットを楽しむコツだと思います。何故なら、セーリングを中心に据えると、飽きないからです。 |