第四十五話 ここ一点の魅力
| 多くの方々が、無難なヨットにされますが、無難なヨットはヨット自体に魅力を感じるという事では無くなると思います。これなら、ああもできて、こうもできる。そういう考え方ではないかと思います。でも、ヨット自体に魅力を感じていないから、大勢の仲間や家族が集まる事に魅力を感じているので集まらない時は面白く無い。いつもいつも集まるなら良いのですが、そうはいきません。 それで思う事は、純粋に遊びですから、遊びには自分の好みを、最も強調したい好みを逃さない事ではないでしょうか。それによって、ヨット自体に魅力を感じる事ではないでしょうか。仲間や家族が来て、みんなで遊ぶ事も、そりゃあ楽しいです。でも、集まらない時でも楽しいと思えるには、自分の好みを反映させておいて、ヨット自体に魅力を感じておく事ではないかと思います。 好みは人それぞれで、理屈で考えるものでは無い。美しさに魅力を感じているなら、一人の時はヨットを磨いているだけでも楽しいと感じるでしょう。スポーツ的速さに魅力を感じている人は、シングルで乗れるようにしておけば、一人の時でもヨットの快走を楽しめる。仲間との集いも楽しいが、その他、もう一点、一人でできる事、魅力をどこに感じるか、それが重要です。人の集まりが最も楽しいのなら、常に仲間を集める努力をしなければなりません。お客様の中にインターネットで、いっしょに乗りませんかと出しておられる方がおられます。その方はシングルでは乗られない。でも、日本中から、乗せてくださいという方々がしょっちゅ集まられますので、いろんな方を乗せて、稼働率も高いです。ホームページを見て、海外からも乗りに来たこともあります。 結局、どこに魅力を最も感じるか、この一点をはずさない事ではないでしょうか。無難なヨットで、特にこれといった特徴も無いヨット、シングルでは乗らずに仲間と乗る集いを楽しむ乗り方、それなら 仲間を常に集める事をする必要があります。そうしないと、ある限定された人数の中では、そうそう しょっちゅうは集まらないものです。或いは、前記しましたように、速さとか、美しさとか、シングルで 操船のドライブ感とか、いろいろありますが、その一点に魅力を感じる事が大切です。 車なんかは魅力は感じなくとも、車は仕事をさせる事ができます。人も荷物も運べるし、移動手段として役にたつ。だからこそ、稼働率は高い。でも、ヨットは役に立ちませんから、必要な時以外は ヨットに行く理由も無くなります。ヨット自体に魅力を感じていれば、ヨットを放ったらかしにはしないでしょう。 嫁さんなら、ここ一点というわけには行かない。美しいだけでうまくいきません。性格も重要ですし、働きものであったり、でも、彼女ならここ一点の魅力がないと、つきあえません。ヨットは彼女と同じなんです。このヨットなら何ができるかというのも重要ですが、どこに魅力を感じるかはもっと重要です。キャビンが広いとか、装備が良いとか、そういうのはヨットに住み込むなら重要ですが、そうでは無いのなら、そのヨット自体のどこかに魅力を感じていなければ、ヨット自体を遊ぶ事は魅力的では無くなるのではと思います。 |