第125話 未来

これからのヨットはもっともっと技術を駆使して、誰でも楽にセーリングが楽しめる。
そういう風になると思います。セーリングをするのに、難しい操船技術が要求される、
或いは、体力、クルーの数等々が要求されるならば、ヨットの普及はたいした広がり
を見せないでしょう。誰でも、楽に操船できる事が条件です。

事実、徐々にではありますがそういう傾向にあります。昔、ヨットマンはファーラーは
セールカーブが出ないと主張していました。今は殆どがファーラーです。メインセール
もそうです。トラブルが多いとか、様々な意見がありましたが、今メインファーラーは
多くの人々が求めています。昔はティラーを縛って固定していた。今はオートパイロット
を使います。GPSしかり、どんどん操船は楽になってきています。しかし、まだまだです。
これからもっと開発が進み、誰でも、一人で楽に操船できる、そういう時代になれば、
ヨットの普及は広がりを見せるに違いない。マリーナ不足とか係船料が高いとか言いま
すが、普及していけば変化もするでしょう。安いマリーナが増えていく。安いマリーナが
増えるからヨットが普及するというより、ヨットの普及が先でしょう。

車を走らせるのに難しい理論は必要無い。ヨットもそうならなければなりません。しかし、
一方で、もっとヨットを深く追求して、セーリングを堪能されるかたも増えていくでしょう。
初心者もベテランも同時に、それぞれのレベルで楽しまれなければなりません。

価格については二極化の傾向にあります。大量生産艇はコスト削減の為、造船所を人件費
の安い国に移しています。一方、高い、少量生産艇はますます品質の向上を図って高くなっ
てきています。そして大型化してきている。大型化しても、楽に操船できる。これがキーワード
です。大型艇にはそれが可能です。バウスラスターなど、例えば30フィートに設置する人は
居ない。しかし、将来はこれも標準化するかもしれません。

価格が安い事は重要ですが、一方で楽にできるという魅力も絶大です。ヨットのハイテク化を
良しとしない方も多いと思います。しかし、普及していく為にはそれも必要です。普及すればさら
発展も望める。思いもしないアイデアなども出てきます。これからがますます楽しみです。

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