第56話 これからのヨット
一般クルージング艇が限界に近いならば、これからはどんなヨットが良いのでしょうか。
もう一度、セーリングそのものに帰るべきです。ショートクルージング、ショートハンド、
高い帆走性能、高いスタビリティー、シンプルな内装、そしてやはりスポーツセーリング。
ジブは小さめのオーバーラップが少ないファーリングジブ、シングルハンドならセルフタッ
キングシステム、メインを大きめにして、メインセールトラックをキャビンの上から引きずり
おろしてコクピットに設置。ブームバングにバックステーアジャスター、メインセールのリ
ーフはコクピットからのシングルラインリーフ。リグはフラクショナル。これにジェネカーの
セールは合計3枚。もう少し加えればフラッターとカニンガム。
船体は深いコクピット、バラスト比を高く、フリーボードは低く。幅はやや狭め。バランスの
良いもの。
計器は風向風速計、デプスにスピード計、シングルハンドならオートパイロット。それにGPS
がつけば完璧。
インテリアはシンプル。マニュアル清水ポンプとシングルシンク、コンロは携帯用コンロ、アイス
ボックスは設置型では無く、クーラーボックス。それにトイレ。
帆走性能の高いヨット。ただ軽いだけではいけません。重心が低いヨットはそれだけセールを
大きく展開できますし、ショートハンドにはもってこい。レーサーのようにクルーを必要としない
それでいて帆走性能の高い、楽な操作で良い走り。レーサーのようなレーティングなどは関係
無い。
要はスポーツカーのイメージです。一般ユーザーにセダンは合わない。車は2台目にスポーツ
カーを持ってくる人がいますが、ヨットは一艇目にスポーツカーを持ってくる。買い物に行くわけ
でも、荷物を運ぶわけでも、日常の足に使うわけでも無いのですから。スタイルはクラシックでも
モダンでも好きなスタイルでカッコ良くのりましょう。
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