第61話 トイレの話
先日、あるオーナーのヨットに行ったんですが、コクピットにペットボトルを半分に切った物
がころがしてありました。これ何です? あっ、これね、俺のトイレ。時化てる時、これにす
るように作ったわけよ。笑いながら返事が返ってきました。時化てる時はこれが一番よ。
シングルハンドでいつも乗るこのオーナーの知恵です。また、こういうのを面白がっています。
いいですね。これですよ。こういうユーモアあふれる工夫は大好きです。また、あるオーナー
はディンギーのメインセールをもらってきて、少し加工してスピンハリヤードで上げていました。
時に4枚も同時に上げる事もある。曰く、遊びだもん。既成概念にとらわれない自由な人です。
この人もシングルハンド。先日、長崎から帰って来た時、風の具合が良かったので、博多湾
にははいらずに、そのまま通り過ぎて山口まで行った。そういう人です。実に面白い。
このオーナーのすごいところはまだあります。もう30年ぐらいのベテランなのですが、それでも
解らない事は何でも聞いてこられます。できるだけ何でも自分でしようという方、彼のヨットは
私物で一杯ですが、でも非常にきれい、エンジンなんか新品同様ぐらいきれいなのです。既に
引退して7〜8年でしょうか。殆ど毎日ヨットに来て、メンテナンスをしたり、読書したり、風の具合
が良い時はセーリング、そして年に数回遠出をされます。
また、別のオーナーは流行のジブファーラーにはしていません。レギュラーのジブをハンクスで使
っています。ジブを降ろす時はジブのトップに細いロープを結び、フォアステーに沿って降ろし、タック
に付けたブロックを介して、コクピットに引いてあります。ジブを降ろす時はこれをコクピットから引く。
すると簡単にジブを降ろせる。そしてハンクスをはずさず、フォアステーに付けたままバッグに入れる。
ジブハリも付けたまま。
面白い工夫を見つけたら、また紹介します。
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