第74話 大きなヨット、小さなヨット

この間、小さなヨットでまあ波のある中を走ってましたら、隣に大きなヨットが来ました。
こちらはバタバタ作業をしてまして、そしたら、向こうはコクピットで落ち着いてコーヒー
なんかのんびり飲んでましたね。やっぱり大きいヨットは楽で良いね.と確かに、その時
は思ったものです。

でも、ヨットはこういう場面ばかりではありません。それで大きなヨットにするともてあます
事もあるのです。せっかく、小型艇の時はしょっちゅう乗ってたのに、大型艇になってから
はあまり動かさなくなった。なんて事もあります。一部を見て、そこだけの為に買い換える
のは名案とは言えないです。その弊害もかならずある。

決して、大型艇を否定しているわけではありません。私も50フィートオーバーのヨットには
良く載せていただきます。でも、気持ち的に気軽に出すという気持ちになるには、こちらが
相当のエネルギーのレベルの高さを持っていないと、つい億劫になってしまいます。遠く
へ行くなら良いのですが、ちょっとそこまでには出す気が起こらない。

大きいか小さいかは相対的です。30フィートは大きいのか?と聞けば答えはありません。
他と比べて大きいかどうかですから。そうすると自分のエネルギーのレベルの高さに対し
て、このヨットは大きいか、小さいか、という判断になるのでしょうね。

という事は本当はヨットのサイズが問題というより、自分のパワーの問題です。他人のパワ
ーレベルで考えても役には立たない。40フィートをシングルハンドで乗っている人を知ってい
ます。50フィートをシングルで乗る人を知っています。一方で、30フィートに乗れなくて、ヨット
をやめた人を知っています。どちらが、優れているかでは無く、それぞれが違うだけです。
見栄で大きなヨットを買っても楽しめないなら、小型で走りまわれる人の方がよっぽど幸福
です。自分の最も楽しめるサイズ、制御できるサイズ、これを見つけましょう。これは理屈で
は無く、感ですね。不安か、安心か?




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