バッテリーその他について

エンジンの起動はバッテリーから供給される電気(直流12V)です。ヨットには最低バッテリーが1個、ないし2個、それ以上というのもあります。バッテリーが1個であれば、そのバッテリーでエンジン起動もしますし、船内の照明等にも使います。それで、バッテリーが2個以上あるのでしたら、エンジン用と船内用とで使いわけします。バッテリースイッチで、1のバッテリー、2のバッテリー、両方(BOTH)というのがあり、それぞれ、使うバッテリーを選択できるようになっています。

バッテリースイッチ
バッテリー1個であれば、使い道も無いのですが、スイッチオンで良いわけですが、もし2個あって、使い分けるとしたら、エンジン起動用と、その他の照明用等に分けて使う事をお勧めします。でも、スイッチでBOTHにしますと、両方のバッテリーはONになり、スイッチ1で1番のバッテリー、2
で2番のバッテリーと独立してONにする事ができます。

エンジン起動にはバッテリーが欠かせないので、照明等以外にもいろいろ電気製品を使いっぱなしがある時は、それ用のバッテリーとしてエンジン用とは分けたりします。使いすぎて、エンジンがかからなくなると困りますから。ですから、1番をエンジン用に使うなら、2番をその他専用として、スイッチ切り替えで選択ができます。万一、2番のバッテリーが上がったとしても、エンジン始動ができるようにしておきます。

また、注意としては、スイッチONにしたバッテリーのみがエンジンのオルタネーターから充電されますので、電気を使って、バッテリーの状態に応じて、充電も使い分けてください。まあ、極端に充電無しで電気を使わない限り、さほど心配する事も無いかとは思いますが、ヨットに泊まったりして、エンジン稼動無しで、夜に照明、その他をたくさん使ったりとか、そういう場合には、その専用バッテリーを特に充電した方が良いでしょう。

電気は12Vですから、車用のCDステレオとかTVなんかも使えます。また、ディープサイクルバッテリーというのがあり、ちょっと高価ではありますが、充放電に強いバッテリーで、お勧めではあります。

ビルジポンプ
マニュアル式と電動式があり、電動式は、船内に水が溜まったら、ある一定水準まで来ますと、自動的に排水します。そして、排水後は自動的に停止しますので、非常に便利です。これはバッテリースイッチON/OFFに関係無く、オートスイッチに入れる事ができます。しかしながら、この進入してくる水を感知するセンサーがゴミや汚れで固着する場合もあり、そういう時はセンサーが働かなくなりますから、これも回りの掃除とか、動作の点検はたまにはやった方が良いです。
また、ビルジについて、そのヨットは海水や雨水がどこから入ってくるかを知っておいてください。
通常はスタンチューブからの海水、それとマストがデッキを貫通しているタイプでしたら、マストの中を通って、雨水が入ります。逆にこれ以外に入らないはずですから、このふたつの可能性以外に、水が浸入していたら、要注意です。原因を見つけてください。その際、清水なのか、海水なのか、舐めて塩加減を確認します。海水なら、船底から、清水なら雨水で無ければ、清水タンクから、等原因が絞れます。

バルブ
エンジンの冷却水以外、トイレの給排水、ギャレーシンクの排水等々、いくつかのバルブがありますので、その位置、動作、漏れが無い事など時折見る事が必要です。

基本的にはたまに掃除する事と、動くものは動かしてやる事です。あまりにも私物で一杯になりますと、開けるのも億劫になりやすりので、ほどほどに。

清水
清水タンクからギャレー等に水が供給されますが、これにはマニュアル式のフットポンプやハンドポンプによって水を出す方式と、電気モーターによる方式があります。電気モーターの場合、モーターで圧を高めて出すわけですが、その先にもうひとつアキュムレータータンクというのがあり、この中で圧を溜め、一定圧になりましたら、モーターは自動的に停止されます。つまり、もし、モーターがいつまでも停止しない場合、水を使っていないのにですが、この場合はどこかで水漏れがあるか、タンクに水が無いかです。

トイレ
海水を取り入れ、外に流す。ですから給排水2つのバルブがあります。そして、トイレが低い位置にある事が多いのですが、セーリング中にもっと低く、海面より低くなる場合があり、バルブを開けっ放しにしますと、海水が便器内に入り、場合によってはあふれる事がありますので、バルブは閉じる。これを防ぐ為に、ホースを一旦高く上に上げて、そこにエアー抜きバルブを取り付けたりしますと、こういう事を防ぐ事ができます。これもホースを確認してください。

陸電
ヨットによっては陸側から100Vの電気を取り入れる装置がついているのもあります。そして、マリーナにもこの陸電供給が設置してあるマリーナもあります。船内にも専用パネルがあって、陸電によってバッテリーチャージャーからバッテリーを充電したり、温水を造ったり、エアコンを動かしたりもできますが、ある程度大きなヨットになります。

良く、冷蔵庫(12V)をスイッチONのままにしてあるヨットがたまにありますが、この電気がバッテリーからの電気供給で、そのバッテリーを陸電で充電している場合、電気の放出と充電が頻繁に行われ、バッテリー液がすっかり無くなっていたという事が時々ありますので、要注意です。実際、冷蔵庫はマリーナに来てからスイッチONにしても、なかなか冷える迄に時間がかかりますので、こういう事をするのですが、要注意です。

その他、水タンク等は、ホースがどこを走って繋ぎがあるのか、温水タンク等も、兎に角そのヨットに設置されている物を良く知る事が大切かと思います。いざという時、どこに原因があるのか、どこを点検すれば良いのか、そういう判断がつきます。

ここまでで、取り合えずセーリングができるようになりました。後は、ヨットに装備された艤装品を知って、使って、動く物は時々動かしてやる事と掃除ですね。

デッキ上の様々なロープ類等も、どこから始まって、どこを通って、どこに来ているかを確認しておいて下さい。兎に角何でも知ろうとする事が大切ですし、そしてヨットの場合、多くは目で見て解る事が殆どですから。できたら、デッキ下、ステアリングホィールでしたら、下にコートランドという扇状の物があり、舵と繋がっており、これとワイヤーでステアリングホィールで繋がっています。どういう構造になっているか、暇な時には、こういうデッキ下も覗いてみて下さい。知っていれば、何かの時に役立つ事もあると思います。

兎に角、盲目的にこう使うという事では無く、内部構造は兎も角、少なくとも、どういう理屈でこういう使い方をするのかを理解されると、何かのトラブルを未然に防ぐ事になりますし、トラブルの場合は原因を突きとめる助けにもなります。自分のヨットの全てを知るつもりで、いろいろ覗いてみる事が重要かと思います。

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