第六十話 特徴
| シングルハンドを前提にしているだけに、セール面積は同じサイズのクルージング艇と比べて、同じぐらいか、少し、小さく、だから操作が楽なんです。おまけに、ジブはセルフタッキングですから尚楽です。それでも、スポーツ度が高いというのは、排水量が軽いからです。つまり、ハイパフォーマンスをクルージング艇より楽に、シングルで操作できる事になります。 レーサークルーザーはもちろん、クルージング艇より軽いですが、セール面積も大きくなります。クルー有りでのセーリング前提ですから、それはそれで良いわけです。しかし、デイセーラーはシングル前提がありますから、よって、排水量をもっと軽くします。それで、小さなセールで高いスポーツ度を実現しようという事になります。 つまり、セールは小さめですから操作がし易くなり、尚且パフォーマンスは高い。それがデイセーラーの考え方です。そして、これはもっとセーリングを楽しもう、スポーツしようという考え方の推進です。そのスポーツはレースである必要性は無いわけで、純粋にセーリングを意識して、ベターセーリングを目指して、ベターフィーリングを得ようという、純粋スポーツの薦めであると思います。 これは、従来のレーサーでも無い、クルージング艇でも無い、新しい考え方から生まれています。 スピード的には、レーサーやレーサークルーザーを目指すデイセーラーも、クルー無しのシングルにこだわり、シングル操作における操作のし易さ、シングルにおいてこそ必要な安定性を持ちます。だからこそ、シングルでのスポーツが成立します。 そして、尚且、レース以外でセーリングに注意を払うようになりますと、感覚が鋭くなっていきます。それはヨットの動き方とか、操作による反応とか、ヒールする具合、走りの具合等々、繊細さも感じられてくるようになります。ですから、そこが重要になってきます。それが、レーサーでは無い所以でもあります。 本格的なレーサーでは、非常に排水量が軽く造られ、尚且より大きなセール面積を持ちます。そんなヨットをシングルで走らせるのは無理があります。レーサークルーザーでもしかり。でも、デイセーラーはシングルで走らせる事ができます。そこが大きく違う処かと思います。 デイセーラーはパフォーマンスにこだわり、シングルハンド操作にこだわります。だから、クルージング艇でも無いし、レーサーでも無い。セーリングをスポーツするヨットです。 ハイパフォーマンスを支えるのが船体とバラストです。レーサーやレーサークルーザーは幅が広いので、それで安定性を支えますし、クルー移動もできます。しかし、デイセーラーはシングル基本ですから、幅が広いと、操作がしにくくなる。だから、重いバラストで支えます。 さらに、スピードが全てでは無いので、そのセーリングに滑らかさを求めます。それは船体の硬さから来ると思います。 つまり、デイセーラーはセーリングそのものを楽しむ為に相応しいヨットです。シングルで操作し易く、ハイパフォーマンスですし、安定性も高い。 |