第六十一話 フィーリング

ハイパフォーマンスだからと言って、そのヨットの最高速度が全てというわけではありません。それには、それなりの風の強さが必要ですから。スポーツカーもそうですが、フェラーリが時速300Kmが可能だとしても、そのスピード目指すわけではありません。

ハイパフォーマンスのヨットは、例え風が弱くても、やはり走りが違います。機敏性とか、加速感とか、レスポンスの良さとかです。その風の中で、よりスピードを目指す事は目指すのですが、その過程において、いろんな、そのヨットならではのフィーリングを味わう事になります。

帆走しながら、舵操作におけるヨットの動き、メインシートを操作して感じるヨットの変化、タッキングしてその立ち上がり、ヒールするも、その力強さ等々、感じる処はいろいろあります。自分の操作を通じて表れる変化を感じ取り、その感じ取った変化に対して、さらに調整を加えたり。自分の操作がスムースになり、そして、ヨットも同じくスムースになっていきます。そういう成長過程のフィーリングや如何に?

風は微風から強風まであり、方向も様々、そして、それが常に変化していきます。強くなったり、弱くなったり、方向が変わったり、ブローがきたり、そんな様々な風の変化に対して、スムースにこちらも対応していける。その時のフィーリングたるや如何に?

デイセーラーのパフォーマンスは、そういうフィーリングを如何に楽に操作して味わう事ができるかを目的としています。スピード的には、沿岸クルージング艇のトップあたりのパフォーマンスから、レーサーの如きパフォーマンスまで、いろいろなモデルがあります。それらを、シングルハンドで、容易に操作し、そのパフォーマンスを味わう事になります。

要は、これはスポーツカーに対するフィーリングと同じです。デイセーラーを足替わりに使う事は無く、荷物運びでも無く、移動が目的でもありません。それは、その走りを、如何に気持ちよく走れるか、走らせる事ができるか、そのドライブ感を味わうものです。

それには、ドライビングテクニックがあるように、やはり少しでも知識が増えて、上手くなった方が、よりフィーリングも良くなります。タックする時も、進路を変更するも、より風を受け取るにも、逃がすにも、少しでも上手くなった方が面白くなります。動かすだけなら簡単ですが、でも、如何にを問うた方が面白い。

そういう事を、その気になりさえすれば、誰でも楽しめるようにと考えたのがデイセーラーです。ヨットは家とは違います。また、レースするだけがセーリングじゃ無い。セーリングをドライブして、そのドライブ感を楽しみます。これって、やっぱりスポーツセーリングです。どの程度のレベルのスポーツかは問題では無い。自分のレベルで、セーリングに意識さえあれば、どんなレベルでも、それはスポーツセーリングです。

そして、やっぱり、見た目の美しさも重要です。クラシック系デザインとモダン系デザインの二種類があります。それぞれに美しさは違いますが、どちらでもお好み次第です。

 
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