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セーリング操作の基本はジブとメインのシート操作をするだけ。これに舵操作を加えて3つです。これだけでセーリングできますから、これを最初は自由自在感を感じる迄に慣れてしまえば、後は、こっちのもの。細かい事は置いといて、まずは、これでセーリングを楽しめますから、他は放っときましょう。
セールは風に押されて風下に自動的に押し出され、シートを引けば、それが内側に引かれるので、風向に対する角度調整となります。セールが風でバタバタしない程度にシート調整します。この時、実際は角度だけでは無く、セールは風を孕んでいるが故に、シートを出せば、セールは風下側の斜め上に移動する。従って、セールは大きなカーブを描く事にはなり、リーチも開く。しかし、取りあえずは置いといて、角度として考えてみます。
これだけでセーリングはできます。行きたい方向に舵を調整して、後は、シート調整、調整と言っても、風向が変わったら、それに合わせてシートを出すか引くかだけです。これで好きな処に行って、また帰ってこれる。簡単です。加えて、タックとジャイブがありますが、これも難しいものでは無い。まして、セルフタッキングなら超簡単。よって、これだけでセーリングする事ができます。後は、慣れですね。
但し、慣れてきたら、これにもうひとつだけ加えたい。それは走る操作では無く、走る時の考え方も理解しておくと、その後の走りが違ってくると思います。セーリングには二つの走り方しかありません。ヨットは風に対して真正面に向かっては走れません。風に向かって約右に45度、左に45度という90度の角度の範囲は走れない(ヨットの性能に寄る)、デッドゾーンがあります。従って、目的地が、そのデッドゾーン内にある場合は、そこに向かって上り、左右ジグザグにタックしながら近づいて行き、その結果、最終的には目的地に到着できます。
もうひとつは、目的地がデッドゾーン以外にあるなら、ヨットはどの方角でも走れますから、そこに向かってダイレクトに真っすぐ舵を調整し、その時に吹いている風向に合わせて、セール角度を決める。シート操作のみです。それで、風向が変化しても、それが走れないデッドゾーン内に入らない限りは、舵はそのままダイレクトに目的地を目指し、セール角度の調整だけで真っすぐ向かいます。
セーリングの走りはこの二つ。それで、セーリングしている時に、どこに向かうかを決めて、そこへ走る時、今自分がどっちの走り方をしているのかを意識します。目的地がデッドゾーン内にあるなら、上って、タックして近づき、これに慣れたら、右からアプローチした方が効果的か、左からの方が有利か、なんてことを、そのうち発見するでしょう。それ以外ならダイレクト狙いです。これは意識するだけで、操作自体は変わりません。
この意識が自然に意識されるようになった時、走り方は意識的になりますから、今後、もしセーリングを発展させようとした時、大いに役立つと思います。セーリングのベースはここにある。何も意識せずに、適当に走る事もできますが、この意識を自然に持っていると、今後に大きな差が出てくると思います。
さて、これだけでしばらく慣れるまでセーリングをして楽しみましょう。例えば、ワンシーズンやってみると、この基本ベースが心身に染みて、自由自在になれる。車を走らせるに、考えずに、反射的に操作していますが、それと同じようになれる。2シーズン目からは、他の操作も学びますが、ある程度知っていれば良い程度から、各部に詳しくなるかは、自分次第。旅を目指すか、セーリングを目指すかに寄ってくると思います。セーリングを目指すなら、できるだけ詳しくなりたいし、旅ならそこそこでも充分。
でも、ワンシーズン目に走り方を意識をして慣れてますから、それを意識するとセールの角度のみならず、セールの形状も気にしてきたかもしれません。となると、他の艤装を使って、どうやって形状を変えるかとなり、その後が学びやすくなる。つまり、セーリングを意識しているという事は、ただ動いている、移動しているだけでは無く、セーリングしているという事になります。
セーリング派はもちろんですが、旅派にしても、この辺りまではセーリングを意識しておいて損はないと思います。時にセーリングを、より楽しむ事ができます。
上の写真は3人乗ってます。ひとりでやる事もできますし、それぞれのパートをそれぞれに分けてやる事もできます。3人居れば、全てを同時に操作する事もできますが、ひとりなら順番にやります。レースなら素早く同時にやった方が良いわけですが、レースしているわけでも無ければ、順番にやって、少しぐらい時間がかかっても構いません。
セールだけで走るセーリングの味わいを、是非、感じて頂きたいと思います。シートを出して、引いて、何がどう変わるのかを感じて頂きたいと思います。セーリングはただ移動しているのでは無い、様々なフィーリングを与えてくれます。それらは、陸上生活では決して味わえない。決して良い事ばかりではありませんが、全ての経験が積み重なっていく時、楽しさばかりでは無く、実に面白さを感じてくると思います。
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