第八十二話 新艇は如何?


      

かつてのバブル時代に多くの新艇が進水し、バブル崩壊後は、豊富に中古が出ていましたが、しかし、それも30年も前の話、バブル以降は新艇の進水が減少し、当然ながら、それに伴って、中古艇も市場に出てくるのがかなり減少してきています。ですから、お眼鏡にかなった中古艇を見つけるのが簡単では無くなりました。

こういう時期といいうのは、新艇への動きが活発になっていくタイミングではあると思います。ところが、新艇へのネックは、価格もありますが、それ以上に納期という問題です。これはオーナーの高齢化の事と絡んできているのではなかろうか?新艇を発注すると、半年〜1年ぐらい、なんだかんだ乗り出していくのに、それぐらいかかる。でも、自分の年齢を考えても、そんなには待ちたく無い。というのが意識にあるのではないか?

でも、敢えて申し上げますと、最後に最高に気に入った新艇は如何ですか?発注してから乗り出しまでの期間は、待ちではあるのですが、その待ちの期間を楽しむというのはどうでしょう? どんな艤装にするかの仕様を考えて、それを楽しむ。発注して、時々送られてくる写真と共に、出来上がっていく様を楽しむ。建造途中であっても、造船所とのタイミングはありますが、こっちの方が良いかなとか、追加とか削除とか、そういう変更も可能だったりします。そうやって、完成までのプロセスを楽しむ。こういうのは新艇で無いと経験できない事です。

日本に来たら、まずは艤装をするわけですが、もし時間が取れるなら、それを見に来る事もできます。マストを立てる準備にしても、スプレッダーを設置し、ステイ類を設置し、ハリヤード等を通しと、普段、そう経験する事は無いと思います。もちろん、全ての艤装を終わらせるには結構な期間を必要としますが、そのどこかのタイミングで、艤装を楽しむ事も可能です。

そうやって完成し、納艇が完了したら、そこから乗り出していきますが、艤装時に関わっていると、そのヨットの概要が掴めていますので、それが、その後にも役立つと思います。こうして見ていきますと、建造に一部なりとも参加してきた感じもしてきませんか? これって、新艇じゃないと経験できない事ですね。とすると、待つ時間というのも、決して無駄では無く、既にヨットライフは始まっていた。要は意識次第。楽しもうとする意識の置き方の問題かもしれません。

もちろん、良い中古があれば、それを入手するのも良いと思いますが、もし、良ければ、新艇もご検討頂ければと思います。人生最後のヨットであるなら、こだわってみるというのも楽しい。そろそろ終活だ、なんて口にする方もおられますが、だったら尚更こだわってみたい。そのこだわりを存分に楽しみたいと思いませんか?


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