第九十七話 探求しよう


      

何が面白いかって、夢中になって何かを求めている時が最も充実感を感じるのではないかと思います。その時は、うまく行くかどうかなんて気にしていない。兎に角、好きな事に夢中になって、結果なんか気にしていない。これは純粋な探求という作業です。こういう時は、たいてい成果は上がるもの。

仕事引退してから、集中して何かをする事が無くなってしまう。もちろん、やるべき事はあるだろうけど、そんなに気乗りしてやってるわけじゃない。でも、もし、ヨットが趣味なら、この際、残りの人生にヨットで探求してみませんか? 何を探求するかって、それゃあ何でも良いんですが、是非、お薦めしたいのが、セーリングとメインテナンスです。もちろん旅好きな方は旅を探求してください。

セーリングをお薦めする理由は、1日に2,3時間程度で十分にできる事。誰でもすぐにできる。この程度の時間ですから、ホームポート近辺で、仮に何かあってもすぐに帰る事ができます。また、探求ですから、セーリングにできるだけ集中します。また、このぐらいの時間が、集中するには良い時間だと思います。


どういうセーリングを目指すか? そこから考えますと、自由自在をベースに、ただ、これは少し大雑把なセーリングですから、そこから繊細さを探求します。すると、自分の意識も自動的に繊細になる。すると、より変化を感じる事ができると思います。

セーリングは角度稼ぎの上りと、目標を直接狙う上り以外のセーリングに分けられます。ではそれを意識しながら、風向に対する角度を意識し、風速に対するセールの形状も、まずは意識してみます。観察する処から初めて、そこから試行錯誤が始まっていく。そのスタンスに立てば、その後、どうして行きたいかが自然に湧いてくると思います。

教えてくれる人が居なければ、本から学んでも良いと思います。但し、自分で考えて、試して、納得しながら進みます。意識はもう繊細の域ですから、微妙な変化も気が付くようになっていきます。こうやって、夢中になれる事があるというのは、これ以上の幸福は無いのではないかと思います。結果なんて気にする必要も無いわけで、何かになろうというわけじゃない。ただ、探求したいのです。もし、ピンと来る方がおられたら、是非、実行してみて頂きたいと思います。

それに合わせて、メインテナンスも学んで欲しいと思います。できる事は自分でやり、できない事は業者に任せるで良いと思います。メインテナンスは自分のヨットをより良く知る事になり、これはまたセーリングの探求にも大いに助けになると思います。

残りの人生、終活なんて言う言葉もありますが、そんなのはほっといて、夢中になって遊んでみませんか?現役を引退したからこそできる特権でもあると思います。



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