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昨今の円安の影響で新艇の新規進水が少なくなりましたが、まあその内情勢は変わるでしょう。そう期待しますが、それは兎も角、なんやかんや言っても新艇は気持ちが良いし、ワクワク度も高まります。モデルも自由に選ぶ事ができます。そこで新艇オーダーのプロセスについて書いていきたいと思います。
ヨットを分類すると外洋クルージング、沿岸クルージング、パフォーマンスクルーザー(この中には外洋を走れる艇と沿岸前提というのもあります)、デイセーラー、レーサー、大きく分類するとこんな感じです。と言いましてもひとつのジャンルの中にも幅はあります。自分がどんな乗り方をするかを考えて、そのうえで好きなデザイン、サイズを決定します。価格については同じサイズで同じジャンルにあるヨットはだいたい同じ様な価格です。もし同じサイズで高価のがあればそれは質が高いからと考えて良いと思います。これらを一般ユーザーが見極めるのはなかなか難しいと思いますが、簡単な話価格で判断しても良いかと思います。するとそれはもはや同じジャンルには留まっていない。また、サイズが大きいからというだけで外洋艇とも言えません。それはブランドで判断した方が良いと思います。
各造船所のブランドはデザイン、工法、品質、パフォーマンス、外洋、沿岸というのが決ってきます。つまり、そのブランドでだいたいの事が解ります。造船所は船体しか造っていません。他のマストやウィンチや多くの艤装はそのコンセプトにあった艤装を仕入て設置していきます。世界で最も数多く進水しているのが沿岸艇と言われるもので量産し価格的にも最も安価です。とは言っても沿岸を走るにおいては十分要を満たしています。ただ、それで外洋を走るとなるとしんどい事になる事もある。
という事で自分の乗り方に合わせてブランドを決めて、造船所の標準仕様とオプションを検討して自分のヨットを造ります。まずは最初の支払が始まります。これは造船所が建造する順番待ちを決定するものです。普通はオーダーが入ってすぐに建造にかかれる事はありません。もしすぐに取り掛かれるとしたら、それは他にオーダーが無い場合です。
造船所によって異なりますが、建造から完成まで数回に分けて支払います。完成したら輸送用船台に乗せて固定、輸送中のカバーをかけて待ちます。次に、こちらから手配した輸送、トレーラーを造船所に向かわせそのトレーラーに船台ごと荷台に固定、輸出港に運んで輸出手続きをしてコンテナ輸送船に乗せる。そして日本へ。もちろん保険もかけておきます。
日本では輸入手続きと消費税を支払ってヨットを受け取りマリーナへ移動させ、そこで艤装、小型船舶の検査を取得というプロセスで簡単にいうとこうなります。ただ、現実としてはいろんな事があってその都度調整が必要だったりします。ひとつ例に取りますと、、以前中国貿易が盛んだった頃、ヨットの輸送というのはかなり面倒くさいもので船会社からことごとく断られた事があります。中国へのコンテナでどれもが満杯状態でした。そこで仕方なく他の船会社を探しまくってローロー船というコンテナとは異なる船に積んでもらった事があります。まあ、いろいろあって当たり前ぐらいに考えていますが。
プロセスはこんな感じですが、とっても大雑把過ぎて良く解らんという方もおられると思いますが、そこは我々業者に任せて頂ければ、オーナーが何も心配する事はありません。それよりヨット選びです。これからもう少し詳しく見ていく事にします。
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