第六話 レーサー 

   
   

読んで字の如くレースを楽しむ為にデザイン、建造されたヨットです。これらは経験のあるオーナーが解って選択するヨットで、そのパフォーマンスもレーティングも必要なクルーの数もどこの海域を走るかも解っている。ですからここでどうこう言う必要は無いと思います。

但し、このジャンルも最先端を行くグランプリレーサーから、ある程度居住性も考えたヨットもあり、後者なんかはクルーザーレーサーと言えるかもしれません。パフォーマンスクルーザーと比べるとずっとレーサー寄りです。本気度の高いレースもこういう方が多い。

レースで分かりにくいのがレーティングでゴルフのハンデみたいなものです。トップでゴールしてもレーティング修正で本当に勝ったかどうかは解らない。ややこしいですね。それでか、海外で多くなったのがワンデザインレースです。参加艇は全く同じモデルで競いますからレーティングなんかは考える必要が無く、-トップゴールが優勝です。とっても解り易くて良いですね。でも、海外では同じモデルを多く集めてレースをやりますが、日本では数が揃わない。という事でそこが問題。こういうワンデザインはレーティングなんか関係無くデザインができます。しかし、数が集まらないとレースができない。

でもレーティング関係無く建造するわけで速いのは速い。そこで日本で一艇だけ進水した。でもワンデザインレースはできないので一般レースに参加し、レーティングが高すぎて優勝できず、かといってファーストホーム狙いもより大きなレーサーが出てくるとやっぱりファーストホームはできない。どっちもできないという事が起こった事があります。 やっぱりワンデザインはワンデザインレースに限る。日本では難しいかな。

兎に角、レースの面白さはやはりやった事のある人達にとっては他は考えられないかもしれません。チームを組んでレースに勝つ。或いは前のヨットを追い抜く、そのスピード感たるやアドレナリンが吹き出てくる。そんな経験は他ではできない。だからやめられない。まあ、そこまでは行かないとしても、レースに参加すると誰もが集中力を発揮して速く走る事を考えます。そしてその為の工夫をする。この事はおおいなる学びになりますね。今もっているクルージング艇で参加しても良いし、何も優勝しなくても考える事と工夫、それに集中力が発揮されてそれだけでも良い。勉強になります。

という事でレーサーはより軽量化を図りスピード性能を図る。バラストだって重量ですから軽くし、。その代わり左右に移動できるクルー達の体重がバラスト換わりになります。マストだって昨今はカーボン製、セールはますます進化してきて殆ど伸びない。となると船体を如何に軽量化して且つ強靭な船体が必要になります。内装はがらがらでもハイテクですから高価極まりないですね。そうなるとパフォーマンスクルーザーの方がレースに使われる事が多くなります。レース以外でも使えます。そういう事もあってレーサークルーザーやクルーザーレーサーという呼び方になって行きます。

まあ、クルージング艇でもレースには参加できますが、やはりよりセーリング性能が良い方が走って楽しいし置いてけぼりを食うのは悔しいですから。ふっと吹いた風でス―ッと加速していく気持ちの良さ、セーリングは面白いですね。


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