 |
ここからあそこへと移動するのが目的ならエンジンで走っても良い。実際に旅にエンジンを使う方々は多い。そういう旅もしくは旅とまでは言わないものの近くだけれどそこに行く移動が目的なら同じ事です。でも、実際は目的地無く出る事もあるしそれをピクニックと言えば、みんなでのんびりおしゃべりなんかも楽しみながら、操船はそこそこにある意味海での集いを楽しむ様な感じかもしれません。それはそれで良いんですが、ヨットの本当の面白さはセーリングにあると思います。何故ならヨット以外にセーリングを楽しめる物はありませんから。
という事でヨットオーナーにはセーリングそのものを楽しむ事をお薦めしています。何も高いレベルである必要も無く、自分ができるセーリング、そこから少しづつ上達していくセーリングを楽しめるようになれば何年も何十年も楽しむ事ができます。これって生涯の趣味と言えますね。趣味は面白くないと続けられません。真剣に取り組むと良い事も辛い事もあるでしょうが、面白さがあればそれらを乗り越えていく事ができます。
という事でお薦めしているのがデイセーリングでのピクニックとは別のセーリングを求める事です。近場のセーリングなので例え辛い事があってもすぐに帰る事ができます。逆に良いセーリングを味わってるなら続ける事ができます。そして何と言っても毎日変わる風や波でいろんなセーリングのバリエーションを経験する事ができます。これが長距離なら何日も時化が続いたり、逆に弱い風だったりもしますが、それらに耐えていく必要もありません。時化て今日が無理なら明日にすれば良い。それだけです。
そんなある意味気軽なセーリングですが、内容的には多くを経験できます。ですがそこでピクニックばかりでは飽きてきませんか? ゲストが毎回変わるならまだしも、同じ海域で同じメンバーでピクニックばかりを楽しむには無理があると思います。だから向こうの対岸に昼飯でも食べに行こうとかしても限度ありますね。マンネリ感がどうしても出てきて、そのうち殆ど乗らなくなる。乗らなくなるとメインテナンスも悪くなる。いざ乗る時に不具合が出たりして。
そこでデイセーリングを頻繁に面白く味わう方法がセーリングそのものにあります。ピクニックとは違って意識はセーリングにある。もちろんゲストが居ても良いがセーリングをちょっと真剣にやるという意識が全てを変える事になります。 どの様にセーリングするかはオーナー次第ですが、意識がセーリングにあれば動けば良いというレベルには留まらないと思います。
舵の操作は行きたい方向に舵を取れば良い。多少ふらふらしても行きたい方向には行ける。しかしセーリング中に舵がふらふらしてますとセールに当たる風の方向がふらふら動きます。これではセールを調整しても効率よく走れません。舵操作ひとつでもセーリングを意識しますとそういう事が解って舵は基本まっすぐに舵取りをする事が大事だと解ります。そうしますと今度は風向が変化するという事に対してどう舵を取れば良いかとなって、変化に合わせて舵取りをする方法と風向変化があろうと同じ針路を目指すという事があり、前者は常にヨットに対して同じ角度で風が吹いている状態であり、後者は針路は変わらないが風向が変わるという事でその変化にセールを調整して対応するという事になります。こんな事は釈迦に説法で皆さんやられていますが、これを意識して何故そういう走り方をするのかを考える処に次の発展があると思います。
セーリングを楽しむ方法は操作をして何故そうするかを考えて、操作後の変化を感じ取って操作が思った通りの変化となるかを確かめる。面倒くさいかもしれないし微妙な変化で解らないかもしれません。でも続ける事によって観察力は上がり感じる能力も上がってきて、自然に解るようになると思います。特に感じる能力は面白さには欠かせない。
そんなこんなのセーリングをしながら、時にピクニックも旅も楽しむとヨットライフの充実度は高まっていってそれこそ何十年もの間本当に楽しめて生涯の趣味と言えるのではないでしょうか。長期間に渡って続けるには楽しいだけでは不足で面白さが必要だと思います。それがセーリングでありセーリングに対して上達する進化があるからです。そのセーリングを頻繁にしかも気軽に楽しむには近場でのデイセーリングがピッタリだと思います。同じ近場でも風や波は毎日違いますからいろんなセーリングが目の前にあるわけです。また、場合によってはローカルのレースに参加してみたくなるかもしれませんね。それも良いと思います。自分のヨットの世界を広げていく事は面白いからやるわけで面白くも無い事を広げる事はありませんね。
ヨットをどう楽しむかは自由です。本人が楽しめればそれで良い。でももしマンネリ感とか何らかの不足感とかを感じているならセーリングをちょっと本気でやってみるのは如何でしょうか?
|
|