第二十六話 自主性

   
   

どういう具合に自分のヨットを運営しようが、自分のヨットで自分の人生ですから勝手な話で誰もが自由なわけです。しかしながら多くの方々が同じ様なヨットを持って同じように遊ぶ。それが自主的な事であれば何ら問題は無いと思います。ですが乗らないでマリーナに置いておくだけというヨットが多い。それが自主的に、意図的にそうしたいからそうしているとは思えないわけです。実際は解りませんが。

しかし物事の変遷においてはそういう事も一時的にあるだろうと、今やヨットがバブル以降減少してきましたが、残っているのは今でも残っているわけで、これからは昔とは違って自主的な運営をする方々が増えてくるのではないか?増えて欲しいと思います。単に乗るか乗らないかでは無く、自分流、それが多くなっていくに従って本当のヨット文化が広がり、本当に楽しめる文化になるのではなかろうか?

そうするとアメリカで言うポケットクルーザーという小型のヨットから大型のヨットまで、しかもいろんなデザイン、いろんなコンセプトのヨットが増えていく。何も大型ヨットが小型より良いというものでは無く、どこに視点を置くか、価値観の違い、予算的に小型しか買えないとしてもそれを良しとするなら小型だからこそ楽しめる事も見えてくる。小型は嫌だ大型じゃないと面白くないとしても、でも買う余裕が無いとするならヨットはやらなくて違う事をやった方が良い。まあ、中古狙いもできますが。

要は、これから自分の遊びについて、価値観やいろんな事情を考えてできる事を他人に関係無くやるという人達が増えていけば、今後、日本のヨット文化も捨てたもんじゃないと思います。かつて21フィートのヨット、結構整備されていて良い状態でしたがこのサイズは見向きもされなかった。無料であげますといっても引き取り手が無かった。でも、欧米では今でも小型ヨットも大量に建造されています。買う人が大勢居るという事になります。日本では欧米の大型艇ばかりが注目されますが、実際は小型も多いわけです。

いろんなヨットが数多く進水する。こうなってはじめて根付くという次の段階に進むのではなかと思います。湾内から出た事が無いでも良いじゃないですか。何を味わいたいか、何を感じたいか、どこに楽しさや面白さを感じたいか?ヨット遊びはあくまでプライベートである限り自分が楽しくて、面白くてなら良いんです。滅多に動かない豪華艇に習う必要は無い。もちろんもっとでかいヨットでも良いんです。自分に従う事だと思います。何も変わった事しようというわけではありません。本来、みんなそれぞれ違うのが普通なんだろうと思います。


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